<金口木舌>カレンダー


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 書店に来年の手帳が並び始めた。年賀状もそろそろ。早いもので、もうそういう時期になった。その隣では来年の刻(とき)を告げるカレンダーも顔をそろえる

▼卓上型カレンダーから日めくりなど種類もさまざま。県内の美しい島々を空撮した定番モノもあり、どれを買おうか目移りしてしまう。中には大判の1枚紙で人気アイドルなどの写真を使い、そのそばに1年の暦を載せたものもある
▼島尻安伊子沖縄担当相が、顔写真を大きく配した「カレンダー」の配布で公職選挙法違反に当たる可能性が取り沙汰されている。本人は「誤解を与えた」などと打ち消しに躍起だ
▼ブログでも「あい子カレンダー」と表記していたが、問題発覚後、突然「ポスター」と説明を翻した。ポスター様のカレンダーも一般に売られてはいる。言葉の変遷を見ていると、1年前にうちわ配布で法相を辞任した松島みどり衆院議員を思い出す
▼「うちわと言えばうちわ」との言葉が有名になったが、松島氏もカレンダーを配布していて「カレンダーは室内用ポスター」とも述べた。島尻氏の言葉と重なる
▼カレンダーからポスターに、有権者は納得いくだろうか。言い換えといえば、米軍普天間飛行場の移設でも「県外移設」を公約に掲げて当選しながら、有権者の審判も仰がぬまま「辺野古」に転向した。それもカレンダーにはしっかり刻まれている。