<金口木舌>若者の活躍する社会を


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 ことしもあと3日、充実した年であればあるほど、時の速さも身に染みよう。大学生のこの人も挑戦が続きトップギアで疾走した年だったようだ

▼名桜大3年の玉城愛さん(21)。昨年の大晦日(おおみそか)は名護市辺野古の浜にいた。一学生として新基地建設に反対する市民の輪に入り、「若い世代で辺野古問題を考えたい」と決意を新たにした
▼年が明け、3月の名護市瀬嵩の浜の県民集会登壇を皮切りに、島ぐるみ名護の共同代表就任、若者らの団体「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」発足に参加し県内外での集会に奔走した。島ぐるみ会議訪米団の一員として、米国で沖縄の基地負担の状況も訴えた
▼「地域住民との触れ合いは教室にない貴重な経験で財産となった。安心して生きるため、それぞれが考えることが大切だ。将来のテーマにしたい」。吸収力が早い若者らしく、「初めて」の連続は進む道をも描く成長となったようだ
▼玉城さんの活動を例に挙げたが、シールズ琉球の登場は新鮮だった。平和集会などでラップのリズムに乗り「命(ぬち)どぅ宝」を連呼する様子はこれまでの集会になかった
▼それぞれの方法で思いを発信する若者たち。地域や平和問題を敬遠していた同世代へ関心を呼び覚ます行動ともなった。若者の活躍が打開への力となる現場が広がる社会であってほしい。新年を前にそう願う。