<金口木舌>じゅうしいが恋しい

 清少納言が枕草子で書いている。「七日の日の若菜を、六日、人の持て来、さわぎ取り散らしなどするに」。頂き物の若菜(春の七草)を珍しがって子どもたちが騒ぐ。にぎやかにもほほ笑ましい正月明けが描かれる

▼年末年始のごちそう続きに、母や伯母らのカメー(食べて)攻撃をかわし切れず、膨らんだ腹をさすっている方も多いだろう。きょうは七草。祝い膳や酒で弱った胃にはちょうどいいころになる
▼七草がゆの風習はない当方、この時期に恋しくなるのは「ジューシー」だ。祝いの膳にも使われる炊き込みご飯風のジューシーではなく、ごく庶民的な、雑炊かゆのように炊くジューシーがふさわしい
▼かつお節のだしに三枚肉などを細かく切って入れ、豚あぶらの風味を付ける。青い野菜が欠かせない。わが家の定番、イモの葉(カンダバー)は、植物防疫法で県外持ち出しが禁止されているから、沖縄でしか味わえない
▼エッセイストの古波蔵保好さんの家はフダンソウ(ンスナバー)だった。ウイキョウの葉(イーチョーバー)は子どもには不評だったが「オトナは、なじみになったらやめられなくなるといっていた」そうである
▼ある化粧品会社のアンケートでは6割以上が正月太りを経験し、増加は平均2・08キロとか。沖縄野菜を取って胃を休め、正月明けは「イチキロヘラス」を心掛けよう。



琉球新報