<金口木舌>新成人と感謝の輪

 年を重ねる度に「初心に返る」「新たに挑む」ことがおっくうにもなる。新成人の話題を8ページにわたり展開した10日付本紙を読み、「自分力」を磨く大切さを思い返した読者も多かったのではないか

▼社会面に掲載した岸本菜月さんを取材した。県立農業大学校2年で、この春から名護市内の農業生産法人に就職する。「ブランド品を育てたい」「農業に将来を懸ける」。夢へ向かう期待と意欲が、真っすぐな視線から伝わった
▼消費者の笑顔がやりがいにつながったという。農業の魅力を教えてくれた恩師や家族の支えも未来を描く土台をつくった。何度も口にした「世話をかけた分、責任ある行動で恩返ししたい」の言葉は、社会人となる自覚の表れだろう
▼成人式を迎えた今帰仁中学8期生は感謝の気持ちを形にした。母校へのテント贈呈式には半数を超える60人余りが駆け付けた。仲間たちの賛同と理解があり、実現したことがはっきり見えた
▼「先生や父母、地域の協力で部活動や学校行事も全力でできた」と振り返る新成人。集まった父母や住民らも「卒業生の心意気がうれしい」と目尻を下げ、校内を温かな雰囲気が包んだ
▼大人へ仲間入りする若者を見ると、努力や挑戦などの自己磨きも感謝を表す一つに思える。周囲とのつながりの中でこそより輝き、成長できよう。感謝の輪が広がる社会を望む。