<金口木舌>偉大な発明

 サルのしっぽ、小さなアヒル、耳、カタツムリ。ある記号を見た目で表した各国の呼称だが、何を指しているかお分かりになるだろうか

▼実はこれ、電子メールでユーザー名とホスト名を隔てる「@」の俗称だ。前段の表現は順に、ドイツ、ギリシャ、トルコ、韓国のもの。日本では「アットマーク」と呼ぶのが一般的だが、確かに言われてみればそれぞれそう見えなくもない
▼単価記号としても知られる@。この記号とアルファベット、数字を組み合わせると、メッセージが瞬時に地球の反対側まで駆け巡り、伝えたい相手に届く。なんとなく仕組みは理解しているつもりだが、あの速さはいつも不思議だ
▼@を使いコンピューター間でやりとりできる仕組みを作った米国のプログラマー、レイ・トムリンソンさん(74)が今月亡くなった。ビジネスメールだけで1日当たり1千億通が送受信される現代。彼の発明の偉大さにあらためて敬服する
▼いまや電子メールはビジネスでもプライベートでも日常的な道具となっている。だが有給休暇の連絡をメールで送る新入社員が出てきたと聞くと、さすがに首をかしげてしまうのは時代遅れだろうか
▼私信のやりとりからスキャンダルが暴露される昨今。スマートフォンのセキュリティーをめぐって米国ではアップル社とFBIの応酬が続いている。便利さと安心と、永遠の課題だ。