<金口木舌>地域資源が生むライバルの協働

 名護市勝山の山々でシークヮーサーの白い花が見頃を迎えた。12、13の両日あった恒例の花香り祭。甘酸っぱい香りに誘われたミツバチが木々の間を勢いよく飛び回っていた

▼やんばるを象徴するシークヮーサーだが、近年は生産過多に悩まされ、一部で収穫されないこともある。大分のカボスや広島のレモンなどに香りの豊かさはひけを取らないが、加工用原料の認知度はあと一歩か
▼そんな中、シークヮーサーの魅力発信を目指し名護市の業者が結束する。渡具知、沖縄アロエ、勝山シークヮーサー、南西食品の4社で、シークヮーサーを原料にポン酢の共同開発などの取り組みを4月中にも始める。「伝えたい、届けたい、拡めたい」がテーマだ
▼この4社、本来はライバル関係だ。普段しのぎを削る会社同士の協働が持つ意味は大きい。生産者や地域も一体となった特産物振興へ本気度が伝わる
▼国のふるさと名物応援事業を活用する。原料を提供し合い、それぞれの得意分野で新商品づくりも計画する。5年間かけ全国市場での定着に挑む。販路開拓は安定生産に加え、観光分野の波及効果も見えてくる
▼事業ではまず、北海道滝川市など全国に4カ所ある名護の友好都市での消費押し上げを狙う。学校給食への提案も戦略の一つ。地域資源を核につながるまちづくりへ。やんばる自慢の果実で食卓に花を添えてほしい。