<金口木舌>自転車で地域振興


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 徒歩や自動車、バスなど交通手段によって見える景色は違う。適度なスピードで流れる風景を楽しめる、自転車からの景色もまた格別だ

▼健康づくりで自転車に乗りながら、風景も楽しもう-。名護市が自転車を活用したまちづくり・地域づくりを目指す取り組みを本格化させる。先日、名護市主催で約40人が参加した「羽地内海周辺のサイクルツーリズム」可能性調査に参加した
▼自転車に乗るのは通学で利用した高校時代以来。さっそうと先頭を走る稲嶺進名護市長とは違い、数十メートルで息が切れる。グループから15分以上後れを取り、日頃の運動不足と体力のなさを痛感した
▼30キロを走り切ることに全力を注いだが道中、市内の道路が自転車で走りやすいということは感じ取れた。中南部に比べ、車の量が少なく、羽地地区を中心に自然が適度に残る道は走っていて気持ちがいい
▼市宮里で整備の進む自転車専用道が8月10日に開通する。約800メートルで幅は2メートル。歩道と完全に分離し、青色に塗られているため、車を気にせず快適に走ることができる
▼名護市は専用道も活用しながら複数のコースの設置を検討するようだが、運動不足や体力のない初心者でも風景を楽しめるコースも望みたい。可能性や魅力を、調査だけで終わせてはもったいない。地域の持つ強みを観光に生かす工夫の先に地域振興が見えてくる。