<金口木舌>女性が輝く日本へほど遠い現状


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 一昔前、夫婦共働きで子どものいない世帯を「DINKS(ディンクス)」と呼んだ。「ダブル・インカム・ノー・キッズ」の略だ。世帯収入が多く生活にゆとりがあり、暮らしを楽しんでいるというような夫婦像だ

▼最近は「DEWKS(デュークス)」という言葉がもてはやされているという。「ダブル・エンプロイド・ウィズ・キッズ」の略で、子どものいる共働き夫婦を意味する
▼沖縄の場合「DEWKS」は今に始まったことではない。待機児童の問題は1990年代から続く課題であり、それだけ共働き世帯が多い
▼沖縄労働局がまとめた資料によると、県内の雇用者数に占める女性の割合は約47%と、本土に比べ3ポイント高い。さらに働く女性の6割が非正規雇用で、本土の女性と比較すると長時間労働となっている(18日付本紙)
▼一方、県が2015年に実施した「男女共同参画社会づくりに関する県民意識調査」では、家事をするのは共働き世帯でも約40%が「主に妻」、41%が「主に妻が行い夫が一部負担」と答えている。家計を支え、家事もこなす働き者の沖縄の女性像が浮かび上がる
▼しかし女性に頼ってばかりではいけない。男性の定時退社や育児・家事への協力を当たり前とする意識が根付かない限り、女性は自分らしく生きられない。安倍首相のいう「女性が輝く日本!」への道のりは遠い。