<金口木舌>「感謝」と「夢」


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 成人式と聞いて、思い浮かぶ言葉は「感謝」だ。生み育ててくれた親へ。共に喜び、悩んだ友人へ。厳しくも温かく見守った地域へ

▼8日行われた名護市成人式でも多くの「ありがとう」が飛び交った。新成人の誓いで「感謝したいのはマミーだ」と切り出した屋部中代表の宮城大輝(だいき)さん。やんちゃして苦労を掛けたが、大切に育ててくれたシングルマザーの母親に壇上で頭を下げた
▼会場では「感謝」の赤い文字が新成人を迎えた。書いたのは四国大学(徳島)で書道パフォーマーとして活躍する羽地中出身の宇良樹希(たつき)さん。「地元の支え」に対する心からの「感謝」を朱墨でなく、真っ赤なペンキで表現した
▼成人式で思い浮かぶもう一つの言葉は「夢」だ。屋部中出身の比嘉一加里(ひかり)さんは壇上で3日後の離沖を宣言。友人らから驚きの声が上がった。夢は青年海外協力隊員として世界の貧しい子どものために働くことだ。資金作りでオーストラリアに旅立つ
▼毎年の風物詩、名護市銭ケ森(じんがむい)の「光文字」が8日夕、点灯した。今年は「心」。これまでは東江中の卒業生で実施したが、今年から市内全中学の卒業生が行うことに。実行委員長の宇良宗徳さんは「優しい心を忘れない」と理由を話した
▼周りに感謝し、将来の夢を抱いて社会に旅立つ新成人。つまづいた時にはこの日の誓いを思い出し、一歩前に踏み出してほしい。