<金口木舌>夢広がるスポーツ女子


この記事を書いた人 琉球新報社

日本高校野球連盟に初の女性理事2人が誕生した。今年の選抜大会から甲子園練習で女子マネジャーの条件付き参加が認められたことに続く“門戸開放”だ。改革の進展に期待したい

▼競技によっては女子の国際大会開催が遅れた。サッカーは1991年、レスリングは85年が女子の世界大会の初開催年である。約25~30年で競技が発展し、国際化した。その意義は計り知れない
▼名桜大学硬式野球部の22歳、外間千砂登投手。こちらは男女の区別がない中で、県内大学公式戦で初の女子選手として出場。3回を零封し、勝ち投手となり球史に一ページ(4月11日付)を刻んだ
▼来春の卒業を控え、就職活動中の外間さんに話を聞いた。「男の子だけの中で競技を続けてきました」。小学2年の時、父や兄の影響で自然な形で白球を追い始めた。中学の一時期を除き約15年、野球と共に歩んできた
▼学童野球で女子選手が珍しくなくなった今、外間さんは環境の変化を感じている。球場などで少女たちを見掛けると「男女に関係なく、好きなスポーツに打ち込み、続けられる環境」のさらなる広がりを願う
▼試合に出られない高校時代も、男子と同じ練習メニューをこなした。お互いに刺激を受け、支え合ったという。体育教師を目指し、甲子園に監督での出場を描く。夢を追い続けるその姿は、後に続く者にも大きな励みになる。