<金口木舌>コンビニおでん


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 コンビニでおでんを買った。レジ担当が一つ一つ買った具材を入力する。その時のレジは、アジア系外国人の店員だった。見ていると、こんにゃくと厚焼き卵を間違って入力した

▼「外国人にとって、具材の名前を覚えるのは大変だろうな」と思いながら「違ってますよ。こんにゃくですよ」と伝えた。店員はいったんキャンセルしたが、再び厚焼き卵を入力した。「大した金額の違いじゃないし、まいっか」と思い、お金を支払い店を出た
▼帰って食べてみると恥ずかしくなった。こんにゃくだと思って購入したのは、じっくりだしが染みこんで変色した厚焼き卵だった。店員に心の中で謝った
▼年中暖かい沖縄で、冬の鍋料理は本土に比べなじみが薄い。しかしおでんは別格だ。飲み屋によっては看板メニューという所もある。大手コンビニによると、コンビニおでんの売り上げで、沖縄は全国トップクラスだという
▼担当者は「理由は分からない」と話すが、うちなー料理の「てびち」が関係していないか。てびちの煮付けには、大根や卵などが入っている。てびちの煮付けに親しんできたウチナーンチュが、おでん好きにならないはずはない
▼ちなみに、コンビニでおにぎりを温める人がいるのは沖縄だけとか。県民の多様な好みに対応したサービスだと知ると「オニギリアタタメマスカ」と尋ねる外国人店員に、親しみが湧く。