<金口木舌>AIが発達しても…


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 どれだけ怖かっただろうか。北海道を最大で震度7の地震が襲った。多くの人が寝静まっていたはずだ。平穏な暮らしを突然奪われてしまった人たちのことを思うと胸が張り裂ける

▼人工知能(AI)などの科学技術が発達しても、まだ、今回のような大規模災害を予測できない。「災害は忘れた頃にやってくる」といわれる。少しでも予測できるシステムを構築できないものか
▼総務省は本年度から人工衛星で集めた地球上の観測データを使い、自然災害を予測するシステムの実証実験を実施している。建造物の倒壊や土砂崩れなど、発生前の前兆をAIで解析するという。早く実用化してほしい
▼東日本大震災では、身元が分かっていない人の写真と特徴が書かれた紙がびっしりと張り出されていた。「まさかこんなひどいことになるとは」。遺族の言葉が忘れられない
▼北海道で安否が分からなくなっている人が無事であることを祈るばかりだ。被災した人たちのために沖縄から何ができるか。東日本大震災では、義援金や救援物資などを送ったり、現地でボランティア活動をしたりして支援した
▼沖縄はユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込む琉球海溝付近に位置する。いつ大きな地震が起きてもおかしくはない。被災地に寄り添いながら、災害に強い沖縄をどうつくるか、皆で考えたい。