金口木舌(2008年9月19日)

 第1回池宮城秀意記念賞を受賞した「ジャパン・フォーカス」
▼アジア・太平洋地域のニュースや論文を英語に翻訳しネット上に発信している。その代表編集者の一人でオーストラリア国立大学名誉教授のガヴァン・マコーマックさんが刺激的なタイトルの本を出版した

▼「属国―米国の抱擁とアジアでの孤立」(凱風社)。属国とは「独立国家の体裁があるが、自国の利益よりはほかの国の利益を優先させる国家」と定義し「日本は米国の属国」と指摘する
▼抜粋すると「戦時中、米国戦時情報局(CIAの先駆け)が一流の研究者30人を動員して対日戦に勝利し占領に役立つ心理戦を立案させた。この計画は成功を収め、その成果である『菊と刀』は大ベストセラーになった。長期にわたり日本を米国に追従させるには、日本文化の基底には、非アジア的な天皇中心の文化パターンがあるという考えを広めると効果があると結論づけた。日本が心理的にアジアと距離を置けばアジア諸国と共同歩調はとれないだろうし、米国に依存し続けるはずだと分析した」
▼分析通り米国依存は続いている。郵政民営化や憲法改正の動き、思いやり予算の増額―など、最近の政策の背景には米国の要求がある
▼自民党総裁選、次期衆院選と秋は選挙の季節となった。選挙では日米同盟への姿勢にも注目したい。