金口木舌(2010年4月9日)

 小、中学校の同級生に、気になる女生徒がいた。「なかよし学級」の名称で呼ばれていた特別支援学級に籍を置く彼女はみんなの人気者だった。うつむき加減に笑うそぶりが、かわいかった

▼男女を問わず、周囲の同級生は彼女に声を掛け、友達の輪の中に加えていたように覚えている。彼女がいたことで学校生活はより豊かなものになったと、今は思う
▼南風原、中部農林、久米島の3高校で7日から始まった特別支援学校分教室にも同じことが言えるだろう。知的障害があり、高等特別支援学校に在籍する生徒と共に学ぶことを通じて、周りの生徒の心にも豊かさが芽生えるのではないか
▼この試みは順調に進んだわけではなかった。分教室設置を県教育委員会が決めたのが昨年10月。障害の有無を問わず共に学ぶことの意義は共有されながらも、準備期間が短く「見切り発車だ」との批判の声が学校現場にあった。分教室に通う生徒や保護者への配慮も行き届かず、不安を感じた保護者もいるようだ
▼初の試みだけに戸惑いが残るのは無理はない。しかし、それを克服してこそ、教育現場での共生の理念が達成される。今は生みの苦しみが続いているのだと理解したい
▼入学から3日目。分教室に通う生徒たちを仲間の輪に加えるよう3校の生徒にお願いしたい。障害を越え、共に生きることの大切さを学べるはずだ。