金口木舌(2010年12月25日)

 西高東低の冬型の気圧配置で、大陸からの寒気団が聖夜の列島を覆った。その余波ではないが、名護市にも中央からの「圧力」で大層な寒気が押し寄せた

▼基地負担への協力に応じて名護市に交付されるはずだった再編交付金2年度分について、政府は不交付を市側に伝えた。市と数カ月も交渉を続けた揚げ句、一部申請を受理した上での不交付決定である
▼決定までにこれだけの期間が必要だったとは思えないが、クリスマスイブにしては何とも無粋な贈り物である。移設反対の気が変わったら来年度分は考えてもいいとのことだが、イエスと答える者がどこにいよう
▼首相、外相が矢継ぎ早に来県し、県民に辺野古移設への理解を求めたのはつい先日だった。低頭したのはアメとムチで協力が見込めるとの思惑があったからなのか。今回の名護市への対応はムチのいい見本となった
▼イブの前夜、東村高江では米軍ヘリの低空ホバリングで、ヘリパッド移設に反対する住民のテントが破壊された。沖縄防衛局が工事に着手した翌日の傍若無人ぶり。米軍にとっては、日本政府と自治体、住民との騒動などどこ吹く風で、まるで漫画のようだ
▼政府首脳には、ぜひ現場でヘリの風圧と騒音を体験してもらいたかった。目の前にアメがあろうとも、命には代えられないということを、県民は十分に知り尽くしている。