金口木舌(2010年12月30日)

 ことし流行した言葉に「断捨離(だんしゃり)」がある。不要な物を「断」ち、「捨」て、物への執着から「離」れるという、片付け法の新しい考え方だ。自分と物との関係を問い直すことで、人生や人間関係をプラスに変える効果があるという

▼もともとヨガの修行で古くから行われてきた「断行」「捨行」「離行」が起源らしい。石川県の女性がこれを応用し、片付け術として出版したところ、ベストセラーになった
▼流行に乗ったわけではなかろうが、民主党政権もことし、沖縄への断捨離を実行した。普天間飛行場の県外移設という県民の願いを断ち、「最低でも県外」の約束を捨て、民意から懸け離れていった
▼県外移設に汗を流しもせず、「抑止力」という虚構の前にひれ伏して、いとも簡単に変節してしまった。揚げ句には「県内がベター」「甘受せよ」と発言する始末。沖縄には高飛車に出るのに、海の向こうの大国には地位協定改定の一つさえ言い出せない
▼政府がやるべきは、米国の言いなりという悪弊を断ち、米偏重の安全保障という硬直した思考を捨て、従属外交から離れることだろう。基地問題でも「国民の生活が第一」で相対するべきだ
▼本来の断捨離は、執着から解放されることで、心の平安、精神の自由を得られる。政府も「県外移設は困難」という呪縛から解放され、在沖基地の片付け方を少しは学んでほしい。