金口木舌(2011年5月7日)

 内部告発サイト・ウィキリークスが日米関係に関する米外交公電を暴露したことに対し、登場する政治家、官僚は一様にだんまりを決め込んでいる。「合法的でない情報の発表。政府としてコメントすべきでない」とは菅直人首相

▼枝野幸男官房長官に至っては「コメントも確認もしない」とし、情報が事実かどうか確認もしないとそっけない。公電通りなら、登場人物は移転費水増しなど米国に配慮するあまり自国民をだましたことになる。一国を担う者として、自身に向けられた疑いも「確認しない」というのか
▼過去にも対米追従に走り国民を欺いた例はある。沖縄返還交渉で日米両政府は在沖米軍用地の原状回復費用400万ドルなどを日本側が肩代わりする密約を結んだが、政府は密約の存在を否定し続けてきた
▼しかし30年たって公開された米国の公文書により密約は事実と確認された。尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件は海上保安官が映像をインターネットの動画サイトに投稿したことで公になった
▼米国は公文書を原則30年で公開する。日本の外務省も遅ればせながら外交文書の30年公開ルールを作った。いまだに情報を官僚の独占物だと考えているなら時代錯誤だ
▼今を取り繕っても、いつかは公文書という形で明らかになる。政府はきちんと調査・確認し、国民に正直に説明すべきだ。