金口木舌(2012年2月15日)

 沖縄とそれ以外の日本とで、これほどまで対応を変えるのはなぜだろう。なぜ岩国では「踏まれても蹴られても」説得を続けず、辺野古移設は米側に拒否を示さないのか

▼玄葉光一郎外相のことだ。普天間飛行場の名護市辺野古移設では、県内強行の立場を取る。一方、米側から打診された在沖海兵隊の岩国基地への一部移転には地元に対し「お願いすることはない。安心してほしい」と説明し、米方針を拒否する意向だ
▼理不尽な図式について、沖縄市出身の野村浩也広島修道大学教授は自著「無意識の植民地主義 日本人の米軍基地と沖縄人」で読み解く。「沖縄に米軍基地を集中させることは、沖縄人を犠牲にすることによって日本人が負担を逃れる方法であり、まぎれもなく日本人にとって利益になる」
▼1人の政治家は「沖縄にいらないものは、日本のどこにもいらないものだろうと思うから、国外が優先されるべきだ」と説き、もう1人は「県外移設を求め、受け入れる先があれば市長として頭を下げにいく」と主張した
▼宜野湾市長選で争った2氏が、琉球新報の座談会で普天間の移設先で述べた持論だ。当選したのは後者の佐喜真淳氏だ。国に堂々と公約を訴えてほしい
▼「在日米軍基地の平等負担を」。これを野村氏は最低限の人権要求と指摘する。新市長は具体的にどう踏み込むか。胆力に注目したい。