<金口木舌>沖縄は基地で食っているのか

 アジアの玄関口という地理や人口増、税制優遇策などが潜在力となって、世界からヒトとマネーが流れ込む。経済週刊誌の日経ビジネスの最新号が沖縄経済の躍進を紹介している

▼「なんだかんだ言ったって沖縄は基地で食っているんでしょう」。数年前に県外の記者から言われたせりふ。沖縄に住む者の実感と懸け離れている。情報をなりわいとする記者でさえこの程度の認識とは、あぜんとした
▼基地に土地を提供するより、返還させて開発した方が地域経済に貢献する。基地跡地の那覇新都心や北谷町美浜の隆盛ぶりがそれを物語る。県も基地は発展の阻害要因と捉える。しかし本土では「沖縄は基地で食べている」という“神話”がなお幅を利かせている
▼基地依存は国にとっては好都合だ。誰も引き受けない負の施設を金と引き替えに押し付けることができる。だが政府があれほど喧伝(けんでん)した北部振興策は、従来の沖縄振興予算を削って振り向けたにすぎない
▼くだんの経済誌編集長は記す。「沖縄経済は米軍基地に依存しなければやっていけないと言われてきた。しかしそんな思い込みはそろそろ捨てた方がよい」と
▼沖縄の民意の変化は経済の伸張も背景にある。その変化に目もくれず、基地移設容認派とばかり接触する与党幹部がいる。ずれてないか、今ごろ“アメとムチ”の神通力を信じるなんて。