<金口木舌>赤いリボンが結ぶ心

 リボンは風にあおられ、ドライバーに熱波を送るかのように舞う。北中城村石平のキャンプ瑞慶覧沿いの国道を走っていると、鉄柵に張った網に結わえられた赤いリボンの帯が見えてくる

▼オスプレイの配備に抗議する85歳の上原成信さん、69歳の小橋川共行さんのハンストの中で生まれたリボン。その帯は約70メートルに及ぶ。2人に呼応し、配備阻止の志を貫こうという多くの人々の連帯の証しだ
▼リボンには先客があった。ハンストが始まった15日朝、ゲート横の縁石に沿って赤い線が事前に引かれていた。「ここには立ち入らぬように」と基地の警備員。線とフェンスの間にある1メートル余の芝生帯も提供施設内という意味らしい
▼赤い線の内側を見るとアカバナーが一輪。基地の内外を問わず花は咲く。伊江島の土地闘争で生まれた歌「アメリカぬ花ん 真謝原ぬ花ん 土頼てぃ咲ちゃる 花ぬ清らさ」が頭に浮かぶ
▼幾度か通ってくる警備員はハンスト中の2人に軽く会釈するようになった。「私たちを気遣ってくれた。彼らもウチナーンチュだ」と小橋川さん。フェンスや赤い線を越え、県民同士は睦(むつ)み合う。軍事同盟とは異なる次元で
▼台風が近づき、もうすぐ灰色の雲が沖縄の空を覆う。赤いリボンの行方は気になるが、人々の心の紐帯(ちゅうたい)はオスプレイのない青空が広がるまで、ほどけぬものと信じたい。