<金口木舌>無関心は最大の病気

 銀座の目抜き通りに現れた真っ赤な集団に、沿道からちらちらと目線を送る人が多かったが、足を止めてアナウンスに聞き入る姿もあった。沖縄と言えば青い海、という人には軽い驚きがあったよう

▼オスプレイ配備撤回を求める東京行動を取材した記者の報告だ。東京では毎週金曜日、ネットを通じた呼び掛けで官邸前に集う反原発集会やデモがある。それとどう違うのか
▼明らかなのは沖縄の全市町村と全市町村議会、県議会が参加した東京行動が、日本の戦後の歴史の中でも異例中の異例の出来事ということだろう
▼反原発運動に詳しい社会学者の開沼博氏も「フクシマではあり得ない」と言う。未曽有の災害となった原発事故でもないというのだ。では在京紙は東京行動をどう報じたか。興味を持って見たが、翌29日の報道は分かれた
▼2社は1面に写真入りで紹介したが、掲載しなかった社もあった。全首長らがそろったことが沖縄の切実な状況を象徴する。伝えないという選択は沖縄との距離をつくり過ぎていないか
▼ネット中継を見ながらマザー・テレサの言葉「今日(こんにち)の最大の病気は、すぐ近くに住んでいる人が、搾取や、国家権力による圧力(中略)に脅かされていても無関心でいること」を思い出した。在京メディアや銀座の歩行者天国を楽しむ人々に、癒やしの島と違う沖縄は伝わっただろうか。