<金口木舌>いつか世界一に


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 「ずっと見ていた夢が正夢となった」。今月米国で行われた硬式野球の2013ポニーリーグ世界選手権で、日本勢として初めて優勝の快挙を成し遂げた沖縄選抜チームの知名朝雄監督(65)はこう語った

▼宜野湾ポニーズを率いて29年。沖縄から世界一のチームを-というのが念願だった。ポニーベースボールの監督に就いたのは、高校野球の監督になる希望がかなわず、同じ硬式のボールを使う中学のチームを作ったのがきっかけという
▼初心を忘れず夢を持続することは、誰にでもできることではない。夢を諦めなかった知名さんの不屈の精神に敬意を表したい。技術だけでなくチームの信頼や個々人の礼儀、精神面、協調性などが備わってこその世界一。選手の地道な努力もたたえたい
▼諦めずに夢をかなえた選手がここにもいる。ヤンキースのイチロー選手だ。日米通算4千安打を達成した。「野球に関しては妥協はない」との言葉から、イチロー選手のプロとしての自負心が伝わってくる
▼才能を過信しないところもいい。「いろいろなことを諦めない自分がいることに諦めている」。“努力する天才”の自己分析は実に味わい深い
▼人生はいろいろな「選択」の連続。「諦め」は必ずしも悪いこととは言えないが、若いうちは可能な限り「諦めない」精神で行きたい。アスリートらの生き様に成長のヒントを学びたい。