白壁で街並み再生 糸満ヤッカラー通り、県産しっくい塗装


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地域住民の協力でブロック塀の通りを変身させたしっくい塗り壁作業=21日、糸満市糸満のヤッカラー通り

 【糸満】海人のまち糸満の魅力ある風景づくりの一環で、糸満漁港に隣接した「ヤッカラー通り」で21日、地域住民や行政職員らによるしっくい塗り壁作業が行われた。通りに並ぶ家々のコンクリートブロック塀に、サンゴを原料にした沖縄産しっくいを塗り重ね、沖縄らしさのある白壁へと変身させた。

 ヤッカラー通りは漁港に面し、糸満ハーレーの時季など多くの人目に触れる場所だが、通り沿いはコンクリートの家々が立ち並び景観に統一感はない。良好な景観整備や風景づくりに対する住民意識を高めようと、塀の塗り替えが企画された。
 通り沿いの7軒から了解を得て、1日と6日に塀の洗浄や下地作りの準備を行った。本番には約30人が参加し、こてを使ってしっくいを塗り延ばしながら、黒々としたブロック塀を明るい色彩に塗り上げていった。
 友人同士で参加した大城凜莉華さん、金城世奈さん=共に小4=は手袋をはめて、しっくいのむらをならしたり、模様を付けたりする仕上げの作業を手伝った。「壁塗りは初めての体験で楽しい。しっくいを塗ったことで、通りがきれいに見える」と楽しんでいた。
 糸満漁港からロータリーにかけての山巓毛(さんてぃんもう)地区は昔ながらの風情が残り、県の「沖縄まちなみミュージアム」の候補予定地にもなっている。ことし3月には糸満市風景づくり計画の重点地区に指定され、今後、赤瓦屋根や琉球石灰岩の石積みなどを整備していくことになっている。