<金口木舌>ありのままの自然の「吸引力」


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 冬場のゴルフは沖縄観光の人気メニューの一つ。自然を体感できる爽快感は格別だ。他地域ではこの時期実施が難しい山や川、海を舞台にした自然一体型の競技「アドベンチャーラリー」が来月、東村で行われる

 ▼地図を基にトレッキングやシーカヤック、マウンテンバイクなど多彩な種目にチームで挑戦するが、目玉は当日までコースを含めた詳細は秘密ということ。五感をフルに働かせる「冒険」だ
 ▼地形や自然環境を生かしたドキドキ感の演出-。企画した村観光推進協議会は「やんばるの自然に触れ、心も体もリフレッシュできる」とPRする。東村ファンを増やす一日ともなるはずだ
 ▼2014年の年間入域観光客が111万人と過去最高となった石垣市。新空港開港が注目されがちだが、ここでも石垣島の海、西表島の森林、竹富島の文化的景観などありのままの姿が「吸引力」となった
 ▼その石垣市が県外2市村と昨年、星空サミットを開催した。「日本三選星名所」の地域同士が連携して魅力発信に取り組むことを確認した。夜の見どころが課題とされる沖縄観光の新たな資源の一つになり得る
 ▼大規模観光施設が集客の起爆剤となる場合は多い。しかし、それだけでは不十分である。自然そのものとそこに暮らす人々のアイデアこそがソフトパワーの源だ。地域の連携と提案力で持続可能な成長を生み出したい。