金口木舌(2007年5月16日)

 「沖縄の文化環境はすごいと思わないか。だってコンビニでも三線の工工四が買える。ウチナーンチュは幸せだよ」
▼沖縄市で民謡など沖縄音楽専門のレコード店を経営する傍ら、作詞家などとしても活躍、沖縄音楽界の「ご意見番」と称される備瀬善勝さんは言う
▼「想像してみよう。他県で、その土地の民謡などを学ぼうと考えたとする。音楽専門店にはあるだろうが、果たしてコンビニに、その地方独自の民謡の楽譜が置いてあるだろうか」
▼大手コンビニチェーン店の本部に問い合わせてみた。「調べたわけではないが、恐らく沖縄以外ではあり得ないのではないか」との答えだった
▼沖縄民謡の新曲は現在でも生み出されているし、最近は三線に取り組む本土出身者も増えた。備瀬さんは「民謡は進化しているから魅力があり、音楽としての力がある。三線の音色は人を優しくするような力があるのだろう」と話す
▼復帰35年を迎えた沖縄は、米軍基地や自立経済の確立など、依然多くの問題を抱えている。だが沖縄民謡に関しては、全国と比較すると、復帰前には想像もできないほど恵まれた状況になった。備瀬さんが言う幸せな環境をいつまでも守り続けることが大切だ。