<金口木舌>心強い存在


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 菜那

 世界中のどこでも 島謡(しまうた)唄えば この島のどこかで 三線の音が響く-。10日に発表された2016年10月に開催される「第6回世界のウチナーンチュ大会」のテーマソング「結~心届く~」の一節だ

▼4年前の11年、第5回大会の事前取材でペルー、アルゼンチン、ブラジルを訪ねた。訪問先では至る所で県系人が三線に親しんでいるのを目の当たりにした
▼日本語が分からない3、4世も三線を手に、しまくとぅばで島唄を歌う姿に不思議な感覚を覚えた。と同時に、地球の裏側にもウチナー精神が息づく、つながりに心を打たれた
▼「結~心届く~」にも歌われるように、県系人は沖縄にルーツがあることを大切にしていた。11年にはブラジルにある沖縄移民資料館内に、県系人の各家庭が仏壇で受け継ぐ香炉の灰を保存する棚が整備された
▼発案した当時の与那嶺真次ブラジル県人会長は、移民の事実やルーツを記憶する重要性を強調した。精神的な部分も後世につないでいきたいという志を、わが身に振り返って考えた。第6回のマスコットキャラクターは、沖縄移民の象徴として知られる移民船「笠戸丸」にちなんだ「笠丸」だ
▼デザインには世界のウチナーンチュをシーサーが守っているという意味が込められているというが、県民が県系人に支えられているという感じも抱く。沖縄を思う県系人の存在は心強い。