<社説>子どもの貧困最悪 各種施策を矢継ぎ早に

 子どもの貧困問題の解決は、沖縄の最重要かつ喫緊の課題であることをあらためて確認したい。

 沖縄の子どもの貧困率が2012年で37・5%と全国最悪であることが、山形大の戸室健作准教授の調査で分かった。18歳未満がいる県内世帯の3世帯に1世帯以上は貧困に陥っていることになる。
 全国平均は13・8%だ。沖縄は2位の大阪より15ポイント以上も高く、突出している。この現実から決して目を背けず、取り組みを急がねばならない。
 厚生労働省が報告する全国の子どもの貧困率は12年時点で16・3%だ。これは平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の割合を示している。一方、戸室准教授は都道府県別に貧困ラインを設定した上で、最低生活費以下の収入しか得ていない世帯の割合を算出した。
 県内の識者は今回の報告を、絶対的な基準によるより厳しい数字だとして深刻に受け止めている。県は現在、独自に子どもの貧困率の算出作業を進めているが、より詳細な実態把握が求められることは言うまでもない。
 戸室准教授は子どものいない世帯も含む県全体の貧困率も算出しているが、これも34・8%と全国平均(18・3%)を大きく上回った。さらに5年前より5・5ポイントも悪化している点は看過できない。
 デフレや非正規労働者の増加で、格差は全国で深刻になっている。一方、沖縄は県民所得が最下位である半面、「内なる格差」は全国よりも相対的に大きいとされる。
 「子どもの貧困大国」とも批判されるこの国において、沖縄が最も厳しい状況に置かれている。この現実を一刻も早く改善すべきだ。
 貧困解消に向けて戸室准教授は、生活保護費の全額国庫負担化のほか、最低賃金の大幅引き上げ、非正規雇用の活用規制などを訴えている。いずれも国などで早急に検討されるべき課題だ。
 法制面や構造的課題の議論と並行し、自治体レベルでさまざまな具体策の取り組みも急ぎたい。県の有識者検討会は昨秋、給付型奨学金の創設や児童館増設、学童保育費の減免などについて提言した。各種施策を矢継ぎ早に打ち出す必要がある。
 そして私たちにできることは何か。民間レベルでもあらゆる知恵を集めたい。まずは周囲の子どもたちの様子を、いま一度見詰め直してみよう。