<社説>大麻で高校生逮捕 社会挙げた対処が必要だ

 県立高校の男子生徒(18)が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕された。生徒は大麻を吸引するための紙も持っていたという。違法薬物乱用の低年齢化さえ危惧される由々しき事態である。

 男子生徒は別の容疑で逮捕された勾留中の容疑者から大麻を入手したと自供している。県内でも未成年者が大麻を簡単に入手できる危険な状況にあるのではないか。
 県警は県内の違法薬物摘発人数が昨年11月末時点で、過去の年間統計を上回ったことを受けて「薬物の乱用がまん延している」と指摘している。
 今回の事件もその延長線上にあると考える必要がある。特異な事例ではなく、「氷山の一角」との認識でシンナー吸引や危険ドラッグなども含め、あらゆる違法薬物根絶に向けた機運を高め、社会を挙げて未成年者を違法薬物から守る取り組みを強化したい。
 県内で2008年10月に高校生が大麻所持で逮捕された際、県教育委員会は関係機関を集めて緊急連絡会議を開いた。その中で学校での違法薬物乱用防止教育の実施だけでなく、社会全体で乱用防止に取り組む必要性を確認した。
 その危機感が薄れてはいないか。この間、高校生の大麻事件がなかったこともあり、少なくとも未成年者の安全は確保されているとの油断が社会全体にあったことは否めない。
 違法薬物は依存性が高い。未成年者が好奇心から違法薬物に手を出して依存症に陥れば、購入する金欲しさに窃盗などを繰り返すことにもなりかねない。学校と家庭が連携して、違法薬物の怖さを子どもたちに徹底的に教える必要がある。
 深夜徘徊(はいかい)をきっかけに飲酒・喫煙、さらには違法薬物乱用へとエスカレートする危険性が以前から指摘されている。子どもを夜遅く外出させないことを、日ごろから家庭で意識したい。
 未成年者の違法薬物乱用は家庭や学校だけの問題ではない。違法薬物を一掃できていない社会の問題である。
 社会全体で違法薬物根絶に向けた機運を高め、啓発運動を再構築しなければならない。それも一過性のものではなく、継続して対処することが必要だ。
 将来ある子どもたちを違法薬物でつまずかせてはならない。社会が役割を果たすことが今、求められている。