<社説>県土保全条例 環境改変の歯止め策に

 「東洋のガラパゴス」とも称される貴重な自然環境や生態系の保全に向け、意義ある取り組みと言えよう。大規模な基地建設に伴う環境改変の懸念には、当然ながら目を光らせなければならない。

 県議会与党が県土の無秩序な開発の防止を目的とした「県土保全条例」の改正案を2月定例会に提出する方向で調整している。
 具体的には条例の適用除外になっている国や地方公共団体の開発行為を、規制の対象に加えることを検討している。条例が改正されればおのずと、米軍普天間飛行場の代替となる名護市辺野古の新基地建設計画にも影響する可能性がある。
 県土保全条例の目的は県内の乱開発を防ぐことにある。その趣旨に照らせば、民間事業者だけでなく国や自治体の開発行為も規制の対象に加えるという改正の方向性は道理にかなったものだ。
 条例対象に行政機関を加えることになれば、公共事業などへの影響も予想される。十分な議論が求められるが、この問題で県議会与党は昨年来、県と意見交換するなどして検討を重ねてきた。制定に向けて議論を加速させてもらいたい。その実効性を含め、議員提案に向けた意見集約に注目したい。
 辺野古の新基地建設計画では、キャンプ・シュワブ沿岸部の豊かな海を埋め立てるために2100万立方メートルもの土砂を使用する方針が示されている。県庁本庁舎の70棟分という途方もない分量だ。埋め立て用土砂の8割は県外から搬入し、2割はシュワブ内陸部など県内から調達する計画である。
 県議会与党は昨年6月定例会で、県外からの埋め立て用土砂や石材の搬入を規制する条例を議員提案で成立させた。辺野古への土砂搬入計画で、貴重な生態系を破壊しかねない外来生物の混入が強く懸念されていることが背景にある。この条例は昨年11月に施行された。
 今回の県土保全条例改正の動きは、新基地建設阻止に向けた県議会与党側からの新たな行動となる。環境保全の観点はもちろんのこと、民意に背いた事業に伴う環境破壊に住民の代表である議会側から歯止めをかけていくのは、地方自治の本旨にも合致する。
 県土保全条例改正が県議会で議論されていることを鑑みれば、政府はその結論が出るまで新基地建設関連の工事を自制するのが最低限の責務である。