<社説>河川に有害物質 米軍も原因特定に協力を

 環境汚染があった場合、即座に発生源を突き止めて汚染を止める必要がある。民間地域なら迅速に対応できるが、米軍基地ではそうもいかない。この状況は何としても改善しなければならない。

 水道水の水源でもある比謝川(嘉手納町など)などから、国内では輸入や使用が原則禁止されている有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」が検出された。
 ピーフォスは航空機燃料や洗浄剤などに含まれる。嘉手納基地の排水が流入した後、濃度が大きく跳ね上がっていることからすれば、嘉手納基地が汚染源である可能性は極めて高いといえよう。
 調査した県企業局は「発生源は嘉手納基地の可能性が高く、実態が明らかになれば使用の中止を申し入れる」としている。発生源を特定し、再発を防止するためには立ち入り調査も必要だ。
 ピーフォスは反復投与した動物実験で、死に至ることが確認された有害物質である。直ちに健康被害はないとしても、飲料水として日々使用する県民が不安を抱くのも当然だ。一日も早い問題解決を求めたい。
 事は米軍関係者にも関わる問題である。米軍は積極的に情報を開示し、原因特定に協力すべきだ。発生源が基地排水なら直ちに改善してもらいたい。そのためにも県が立ち入り調査を申請した場合、即座に認めることを求めたい。
 昨年9月に日米地位協定の「環境補足協定」が発効した。それによれば、日本側が基地内への立ち入りを申請できるのは、環境事故について米側が日本側に通報することが前提条件である。しかも米軍の運用を妨げないなどと米側が判断した場合に限って、立ち入りやサンプル採取による調査は認められる。
 米軍が汚染源とは特定されていないケースでも立ち入り調査ができなければ、不十分である。今回のケースを米側が環境補足協定の対象にするかを注視し、問題点をあらためて浮き彫りにし、実効性ある改正へとつなげたい。
 ピーフォス濃度の国内基準を設ける必要がある。国内の自然環境下での検出値は水1リットル当たり0・07~24ナノグラムに対し、大工廻川(沖縄市)では最大1320ナノグラムである。現に高濃度で検出されている以上、関係機関の環境保全意識を高めるためにも基準設定を急ぎたい。



琉球新報