<社説>MICE規模決定 誘致戦略練り周到に準備を

 県は大規模な国際会議や展示会、見本市、イベントが開催できる大型MICE(マイス)施設の機能と規模を決定した。

 経済界から5万平方メートルの拡張要請があった展示場は、多目的ホールなどを一体的に利用することで約4万平方メートルを確保する。名古屋に次ぐ国内5番目の規模だ。
 国内だけでなくアジアを中心とした海外の都市との競争が激化する中で、ある程度の規模は必要だろう。しかし、規模が全てではない。沖縄が目指す誘致戦略を定め、稼働率を高める取り組みこそ必要だ。
 MICEは一般的な観光とは異なる。MICE開催を通じて世界中から企業や学会の主要メンバーが集まれば、沖縄と海外のネットワークが構築され、新しいビジネスの機会が生まれる。
 経済効果は一般の観光旅行より高い。会議開催、宿泊、飲食、会議後の観光など経済・消費活動の裾野が広く、滞在期間が比較的長いからだ。
 県の試算によると、経済効果は年間400億から470億円で、2012年度の県の観光経済波及効果6767億円の7%に相当する。雇用効果は5400人から6300人を見込む。MICEを通じて沖縄観光は新たな段階を迎える。
 世界全体の国際会議の開催件数は年々増加傾向にある。急速な経済成長を背景にアジアの開催件数が増えている。観光庁によると、14年の国際会議開催件数をアジア地域でみると、1位はシンガポール(世界7位)。東京は6位(同22位)に甘んじている。沖縄は34位(同152位)だ。
 MICE施設ができるまでの間、戦略的な誘致活動が求められる。インフラ整備は急務だ。那覇市からMICE施設へ定時、定速、環境に優しいLRT(次世代型路面電車)整備の要望がある。
 人材育成も待ったなしだ。MICE運営のために計画から実施まで一貫して担うスタッフが必要だ。英語、中国語など十数カ国語に対応するため、さまざまな訓練コースや世界標準の検定受験者への支援も必要だろう。魅力あるまちづくりと連動させるにはどうするか。MICE参加後に立ち寄る場として、庶民文化を発信する沖縄芝居劇場建設なども考えられないか。
 MICE誘致を通じて、世界に選ばれる場として沖縄ブランドを磨く好機としたい。



琉球新報