<社説>また野球賭博 球界のうみを出し切れ

 プロ野球の試合に賭けをしていた巨人の投手は、昨年明らかになった3人にとどまらず、4人になった。球界を揺るがす不祥事だ。

 野球は人気のある国民的スポーツであり、プロ野球選手は子どもたちの憧れの的だ。選手の賭博行為などあってはならない。ファンの期待や夢を裏切る重大な問題だ。
 巨人、日本野球機構(NPB)は再発防止策を含めしっかり対応しなければ、信頼を取り戻すことはできない。球界を挙げ不正や腐敗を寄せ付けない体質への改善を目指すべきだ。
 昨年、巨人は野球賭博問題で3選手を処分し、一度は幕引きしたが、今回新たに高木京介投手(26)が関与していたことが明らかになった。当初から他の選手の関与はなかったのかとの疑念は根強くあった。これでは球団調査が甘かったと言わざるを得ない。自浄能力が本当に働いていたのか甚だ疑問だ。
 これまでの調査で(1)チーム内では日常的に賭けマージャン、練習でも金銭を賭けて行われることがあった(2)2軍練習場のロッカールームでは1回1万円を賭けたトランプゲームが横行していた-なども明らかになっている。
 球団内に賭博を気軽に行う雰囲気があったことは否めない。賭け事に対する感覚がまひし、その延長線上に賭博不祥事があったと言えないか。野球賭博に手を染めた選手たちは「軽い気持ち」「興味本位」と説明したという。プロ野球選手、社会人としての自覚のなさにあきれてしまう。
 NPBの熊崎勝彦コミッショナーは全球団に再度全選手の調査を命じるとともに、元東京地検特捜部長ら3人で構成される調査委員会に調査を指示した。他に賭博をした選手がいないかも含め徹底調査し、再発防止に取り組む姿勢をファン、国民にしっかり示してほしい。
 ただ調査委には法的権限がない。捜査機関ではないから、どうしても限界がある。どこまで真相に迫れるか心もとないのも事実だ。
 野球賭博は暴力団の有力な資金源とされる。真相究明は警察の手に委ねるしかないのが実情だ。反社会勢力の関与の有無を明らかにするには、これ以外に手はあるまい。
 警察捜査により「胴元」と呼ばれる賭博主催者を特定、立件し、全容解明に努めるべきだ。「球界の闇」を徹底的にあぶり出し、うみを出し切ってほしい。



琉球新報