<社説>自然エネ立県 沖縄独自の政策掲げ実現を

 今や世界のエネルギー調達の主流は、自然を活用した再生可能エネルギーに移行している。

 環境講演会「自然エネルギー立県への展望」で講師を務めたソーレン・ハーマンセン氏と飯田哲也氏の話を聞いて痛感した。ハーマンセン氏はデンマークのサムソ島で自然エネルギー100%を実現し、環境のノーベル賞といわれる「ヨーテボリ持続可能な開発賞」を受賞している。
 県の「エネルギービジョン・アクションプラン」(シナリオ2)は、2030年度までに再生可能エネルギーの導入目標を13・5%と設定している。12年度(0・5%)の27倍だが、この目標は世界レベルで見るとまったく物足りない。
 南米のウルグアイは再生可能エネルギーが94・5%に達している。火山国のアイスランドは地熱などの自然エネルギーで電力100%を達成し、コスタリカやパラグアイも9割を超える。デンマークは50年に100%を目指す。
 飯田さんによると、東京電力福島第1原発の事故を機に世界で原発は不良資産と化している。再稼働にこだわる安倍政権とは対照的だ。原発の設置コストは年々膨れ上がるが、自然エネルギーは普及すればするほどコストが安くなるという。沖縄のようにほとんど化石燃料に頼ると、燃料調達費などで県内総生産(GDP)の約5%分が域外に流出する。再生エネルギーへ転換すると、GDPを5%押し上げるという。
 世界の風力発電の発電能力は15年末に14年末比17%増の4億3242万キロワットに達し、初めて原子力の発電能力を上回った。15年に新設された風力発電は6301万キロワットと過去最大で、原発約60基分に相当する。技術革新による発電コストの低下や信頼性向上を実現した。日本は発電能力、新設ともに20位前後で、出遅れている。
 島しょ県の沖縄は輸入した化石燃料に依存せざるを得ないが、見方を変えると風力や太陽光、バイオ燃料など「資源大国」だ。同じ島しょ地域のハワイは45年までに再生可能エネルギーの割合を100%にすると宣言した。沖縄も見習うべきだ。
 ハーマンセン氏は「沖縄独自のエネルギー政策を掲げ、それを実現するために、今、そして明日すべきことを皆で考えることが大事だ」と提言した。しっかり受け止め自然エネルギー立県を目指そう。



琉球新報