<社説>男女雇用均等法30年 さらなる意識改革必要だ

 採用や昇進面での女性差別解消を目指す男女雇用機会均等法の施行から30年が経過した。県内の状況を見ると、女性の職場進出は飛躍的に伸びたものの、まだ道半ばの感は否めない。

 沖縄労働局のまとめによると、県内の働く女性は2015年で26万9千人おり、全雇用者の46・8%を占めた。均等法施行前の1985年の11万7千人より15万2千人増え、比率でも10・9ポイントの上昇である。
 その一方で、総務省12年調査によると、賃金水準が低い非正規雇用の割合は男性30・5%に対し、女性は60・1%と約2倍に上る。
 29・6ポイントもの男女差は、実質的な雇用機会均等が図られていないことを示していよう。女性の「雇用の質」を改善する必要がある。
 県内女性の5人に3人が非正規雇用という状況は、採用の主流が非正規雇用となっていることが大きく影響している。労働局によると、求職者の約7割が正社員を希望しているが、6月の求人に占める正社員の割合が29・0%にとどまっていることがそれを裏付ける。
 女性が子育てなどで離職し、再就職の際に正社員を希望しても厳しい現状がある。生活のために、女性の多くが非正規雇用で働かざるを得ない状況を放置してはならない。求人と求職の内容が一致しない「雇用のミスマッチ」解消は急務である。
 優秀な人材の活用は企業の業績向上につながる。能力と意欲を併せ持つ女性は多い。有能さを正当に評価しなければ、大きな損失を招くとの意識を、多くの企業で共有したい。
 県内の保育所待機児童数は4月1日現在の速報値で2536人いる。子どもを預けられなければ、働くことは難しい。待機児童解消は喫緊の課題である。
 子育てと仕事の両立を望む全ての家庭を支援することは、行政だけが責任を負うべきものではない。企業も子育て中の従業員が働きやすい職場づくりで役割を果たしたい。
 男女雇用機会均等の実現は、豊かな社会の指標でもある。均等法施行から30年が過ぎても、女性の活躍を阻む壁は存在する。企業や男性のさらなる意識改革も問われているのである。
 働く人の仕事に対する考え方、生活スタイルは変化してきている。多様な働き方を選択できる社会の構築にも官民挙げて取り組みたい。