<社説>民進党代表選 辺野古容認見直すべきだ


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 安倍政権下の自民党「1強」の基盤を崩せるか。15日投開票の民進党代表選は党再生の足掛かりとともに、政権交代が可能な2大政党制の行方が問われている。

 世論調査で安倍内閣の支持率は約5割、自民党の支持率は約4割を維持するが足元は盤石ではない。
 7月の参院選後の共同通信全国調査で「安倍政権下での改憲に反対」は5割に迫り、アベノミクスの評価も「景気が良くなるとは思わない」が56%に上った。
 改憲、原発推進に多くの国民が不信感を抱き、憲法違反の批判を無視した特定秘密保護法、安保法制を成立させた強権的な手法に対する批判も根強い。
 国民の批判の受け皿となり、自民党に対抗する政党、政治勢力の結集をつくり出せないことが「自民1強」の独走を許している。
 自民党政権への対抗政党の大きな責任を担うのが民進党だ。しかし旧民主党政権の失政に対する不信感を拭えず、大きな支持回復を果たせていないのが現状である。
 維新の党と合流し民進党に改称して初の代表選である。自民党政権に対する国民の不満を受け止め、国民が評価する政策を提示することが、政権交代に向けた党勢回復の第一歩となろう。
 旧民主党政権は、鳩山由紀夫元首相が米軍普天間飛行場移設について「最低でも県外」としていたのを名護市辺野古移設に回帰した。代表選3候補も辺野古移設を容認する姿勢だが、安倍政権の県民に向き合わぬ強引な手法には批判的だ。移設案変更に含みを持たせる候補者もいる。
 同党の枝野幸男幹事長も、今年2月に民主党幹事長として来県した際に「政府の強引なやり方は容認できない。工事を無期限に中止すべきだ」と述べていた。
 民意を無視し基地建設を強行する政府の対応は、安保法制などの強権的手法と軌を一にする。
 民進党が代表選を機に、固定観念から脱して辺野古移設案見直しの論議を提起することは、強権的な「安倍政治」への対抗軸としての同党の存在意義を示すことになるはずだ。
 民進党県連は辺野古移設に反対してきた。代表選3候補に対しても「辺野古移設は白紙に戻し、県民の理解を得られるよう米国政府と交渉を」と求める要望書を提出した。民進党本部、3候補は辺野古移設を見直すべきだ。