<社説>徒歩登校全国最低 歩く習慣身に付けさせよう

 児童生徒を自家用車で学校に送るのは毎朝、見慣れた光景だ。だが徒歩登校の少なさは子どもたちの肥満を助長し、健康にも悪影響を及ぼす懸念があり、見直しを考える必要がある。

 スポーツ庁が実施した2016年度の全国調査で、県内の小学校5年生男女の徒歩登校率が全国で最も低いことが分かった。
 徒歩登校の割合は小5男子の全国平均が92・9%に対し、県内は79・8%。小5女子の全国93・7%に対し、県内は79・8%と、男女とも全国で唯一、80%を下回った。
 一方、登校方法を「路線バス、電車、自家用車」と回答した割合が県内の小学5年男女で全体の約4分の1。中2男子は28・9%、同女子は36・7%とさらに増え、両学年とも全国で最も高かった。
 県内の生活習慣病の専門家はこの結果を「深刻な状況」と受け止め、「肥満や生活習慣病は運動不足や生活スタイルの影響を受ける」と警鐘を鳴らしている。
 専門家は原因について「夜型の生活スタイルの影響」と分析する。夜型社会の影響で就寝、起床が遅く、自家用車で送ることが多い、とみているのだ。
 車社会の沖縄は歩かない生活習慣の傾向が強い。自宅から近い距離の買い物や用事も車でということが多い。車社会と夜型生活が児童生徒の「歩かない生活習慣」を助長している面があるだろう。
 16年度文部科学省調査で肥満度が20%以上の肥満傾向を見ると、県内は中1が12・47%(全国9・52%)と最も高い。5歳児、小3~高2の全学年で肥満傾向児の出現率が全国平均を上回っている。
 肥満は児童のメタボや小児生活習慣病の要因ともなる。学校、PTA、地域が連携し、よく歩き、スポーツに汗を流す生活習慣を身に付けさせる機運を高めたい。
 豊見城市は13年から徒歩の「てくてく登校」を推進している。とよみ小学校は95%の児童が徒歩で登校している。このような取り組みを県内各地域で進めたいところだ。
 一方、子どもを車で送迎する保護者は「不審者への不安」を理由に挙げる。送迎の車の混雑が交通渋滞の要因となり、子どもを通わせる保護者に不安を抱かせている。
 徒歩登校を推進するには通学路の交通安全指導や見守り活動など、安全の確保が欠かせない。地域全体の協力が必要だ。