<社説>新成人の皆さんへ 肝心持ち沖縄押し上げて

 磨けば磨くほど、社会の中で輝きを増すだろう。一人一人の若者が原石として限りない可能性を秘めていることを認識し、大人への第一歩を堂々と踏み出してほしい。

 9日は「成人の日」だ。県内では1万7180人、全国で約123万人が大人の仲間入りをする。県内市町村の多くで8日に成人式が催される。新成人の門出を心から祝福したい。
 まず、育ててくれた保護者や家族、学校や地域で見守ってくれた人生の先輩方ら、多感な時期に成長を支えてくれた人たちに感謝を伝えてほしいと思う。
 自立・自律した大人として良識を持ち、人生をどう歩むか目標をしっかり定めて突き進む強い気持ちを持ってほしいと望みたい。
 新成人が生を受けた1996年4月~97年4月にかけて、沖縄の力を示すニュースがあった。
 歌手・安室奈美恵さんがレコード大賞を連続受賞し、スポーツを含めた沖縄の若者の力、文化の底力が輝きを増して国内外に発信された。「沖縄ブーム」は今に続いている。沖縄都市モノレールが着工された時期でもあった。
 新成人はパソコンやスマートフォンなどIT機器の急速な発達とともに歩んだ世代でもある。情報を瞬時に得られる一方、人間関係が希薄になったとの指摘も根強い。
 大学や職場などで周りの人々とのコミュニケーションを保ち、人の痛みを理解する「肝心(ちむぐくる)」を持ち合わせる大人になってもらいたい。
 子どもの3割が貧困にあえぎ、非正規労働者が4割を超える中で沖縄の若者たちは就職活動に臨まねばならない。家庭や地域で前途ある若者の夢や悩みを受け止めながら未来への挑戦を後押しする機運づくりは沖縄社会の責務である。
 今、基地問題で沖縄は歴史的な岐路に立っている。
 沖縄は長く全国最下位の所得や高い失業率がクローズアップされてきたが、海外からも押し寄せる観光入域客は右肩上がりで、2015年度は観光経済波及効果が1兆143億円となり、初めて1兆円を超えた。「基地がないと沖縄経済はやっていけない」という考え方は既に神話の域にある。
 潜在力にあふれる沖縄の将来を支えるのが新成人だ。既成概念や常識にとらわれない感性と、本土や世界と渡り合う物おじしない行動力を発揮し、沖縄を押し上げるパワーを存分に発揮してほしい。