<社説>生コン設備着工 政府の県土破壊許さない

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画に伴い、沖縄防衛局が米軍キャンプ・シュワブ陸上部に生コンクリートプラント(製造機)の建設に着手した。防衛局は陸上工事に使うもので、シュワブ沿岸の埋め立て工事には転用しないと説明する。県は将来的に埋め立て工事に転用される懸念があるとして、建設しないよう求めてきた。しかし防衛局は着手を強行した。「聞く耳を持たない」とはこのことだ。

 シュワブ内に生コン製造機を造る理由として、防衛局はゲート前での抗議行動を挙げる。生コン車の出入りが進まず、生コンが固まって使えなくなる事態が続いたというのだ。
 防衛局は基地内に生コン製造機を造る前に、なぜ県内で新基地建設への反対の声が根強いかについて、思いを巡らせるべきだ。在沖基地の大半は米統治下に米軍が土地を強制接収し、武装兵を動員して「銃剣とブルドーザー」で住民を追い出して建設したものだ。
 こうして日本の国土面積の0・6%しかない沖縄県には現在、在日米軍の70%が集中し、過重負担を強いられている。なぜ県外・国外ではなく、県内に新基地を建設しなければならないのか。これ以上差別的で不当な扱いを受けたくないと考えるのは当然だ。
 「聞く耳を持たない」強硬策はほかにもある。防衛局は7日に大型コンクリートブロックを投下した。県が事前協議を要求したが拒絶し、ブロック投下についての再三の照会にも応じていない。
 さらに防衛局は3月末に期限を迎える岩礁破砕許可についても、県に申請をしないことを検討している。また大型埋め立て工事では複数回が通例の変更申請についても申請しない方針のようだ。いずれも知事権限での工事中断を回避するためだ。つまり反対の声に一切耳を傾けず、ひたすら基地建設に突き進むということだ。
 ゲート前では資材を積んだ工事車両を基地内に入構させるため、機動隊が市民を強制排除し、機動隊車両の間に閉じ込めている。そして知らない間に生コン製造機の建設が始まった。
 これでは米統治下の「銃剣とブルドーザー」と一体何が違うというのか。県民の意思とは無関係に県土が政府によって壊されていく。これ以上放置できない。日本が民主主義国家なら、沖縄の声を聞き、辺野古移設を断念すべきだ。