<社説>自民総裁任期延長 沖縄の「不幸」まだ続くのか

 沖縄の民意を踏みにじって恥じない政権が、あと4年半も続くのだろうか。沖縄にとって「不幸」としか言いようがない。

 自民党は、党則で連続「2期6年まで」としている党総裁任期を「3期9年まで」に改正することを正式に決定した。
 これによって、安倍晋三首相(党総裁)の2018年総裁選への3選出馬が可能になる。有力な「ポスト安倍」候補が見当たらない現状では、安倍政権が21年9月まで続くことが確実視されている。
 自民党は1980年に総裁の多選制限規定を導入し、連続3選を禁じた。戦後最長の約7年8カ月(64~72年)の長期政権を築いた佐藤栄作元首相に対し「権力が集中する」などの批判があったためである。
 今回の総裁任期延長は「長過ぎる」との批判もあった佐藤元首相を1年4カ月も上回る。改める必然性が果たしてあるのだろうか。
 安倍首相が長期にわたって権力の座に就くことは、総裁選で選出された結果としても過度の「権力の集中」の弊害が必ずや出てこよう。一体、誰のための総裁任期延長なのか。
 ただでさえ「安倍1強」と言われる状況がある。国民生活にとって重要な事項が安倍首相の意のままになりはしないか。暴走する懸念を拭えない。必要性が認められないどころか、総裁任期の延長は危険でさえある。
 14年以降の県知事選、衆院選沖縄全選挙区など主要な選挙で、県民は「辺野古新基地ノー」を安倍政権に突き付けた。だが、安倍政権はその圧倒的な民意を無視し続けている。大きな負担となる辺野古新基地の押し付けが総裁任期を延長した結果、一層強権的に進むことを危惧せざるを得ない。
 長期政権を可能とすることは、安定政権をもたらすことになり「強い外交を実現するため有益だ」などの肯定的な見方もある。
 国民にとっていい施策に注力すればいい。安倍首相の場合は逆である。憲法9条の解釈変更に始まり、他国の戦争に巻き込まれる危険をはらむ安保法制定、そして「在任中の改憲」への強い意欲など、国民を危険にさらすことを一切いとわない。
 安倍首相の下で、平和憲法の根幹をなす9条が大きく揺らいでいる。そのことを国民は強く認識する必要がある。