<社説>こどもの日 希望支える責務果たそう

 子どもたちの夢や希望を育み、支えてあげることは社会の責務である。その責務が果たされているか顧みる日としたい。

 きょうは「こどもの日」。子どもの人格を重んじ、幸福を図ることを目的に制定された。69年前のことである。
 子どもの人格、人権はしっかりと守られているか。子どもの希望を支える社会を築いているか。これらの課題に私たちは真摯(しんし)に向き合いたい。「子どもの貧困」はその一つだ。
 2016年1月に県がまとめた「こどもの貧困」実態調査、今年3月の県高校生調査は、厳しい経済状況にあえぐ子どもたちの実情を浮き彫りにした。
 沖縄の子どもの貧困率29・9%は全国平均の2倍近い水準である。
過去1年間に経済的理由で食料を買えないことがあったという回答が、貧困世帯の約50%に上った。通学費を稼ぐためにアルバイトに追われている高校生もいる。学業への悪影響も心配だ。このような苦境に置かれたままでは未来の設計図を描くことができない。
 県が16年3月に策定した「県子どもの貧困対策推進計画」は乳幼児、小・中学生、高校生、若者と年代ごとに「切れ目のない支援」を提示した。計画をより実行力のあるものにするため、県民の理解と支援が必要だ。
 児童虐待の問題も放置してはならない。心ない大人の暴力や育児放棄に子どもたちが苦しんでいる。16年中、虐待を受けた疑いがあるとして県警が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは384人に上る。09年に統計を取り始めて以降、最多だった。
 県内では今年2月、宜野湾市で生後5カ月の男児に暴行を加えて死亡させたとして母親の交際相手が逮捕された。15年7月にも宮古島市で3歳女児が父親による暴行の犠牲となった。地域社会や関係機関の連携で命を救うことができなかったかと悔やまれる。
 貧困と虐待はいずれも子どもの生命と人権に関わる深刻な問題である。正面から解決を図ることなくして沖縄の将来を展望することはできない。県民の英知を結集したい。
 「子どもは社会の鏡」と言われる。沖縄の子どもたちはどのような沖縄社会を映し出しているか、私たちは常に注視しなければならない。このことを「こどもの日」に改めて確認したい。