<社説>北朝鮮ミサイル発射 対話の道を模索すべきだ

 圧力を強化するとの警告に、ミサイル発射で応える。双方が対立をあおる「不毛な応酬」に終止符を打つ必要がある。

 北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射した。ことし9回目で、3週連続の発射である。日米が北朝鮮を強く非難し、圧力強化を打ち出すたびに、北朝鮮がミサイル発射で対抗する状況が続いている。
 国連安全保障理事会は今月、北朝鮮の弾道ミサイル発射を強く非難する報道声明を発表した。
 北朝鮮にこれ以上の核実験や弾道ミサイル発射をしないよう要求し、制裁を含むさらなる重大な措置を取ることで一致したとの内容である。北朝鮮との対話を重視する中国とロシアも声明案に同意しており、いわば国際社会の一致した要求である。
 にもかかわらず北朝鮮はそれを一顧だにしない。敵意むき出しでミサイル発射を繰り返すとあっては、非難されて当然である。
 一方で、非難と圧力だけの対応では、手詰まり感は否めない。
 北朝鮮と日米との対立関係を改めなければ、取り返しのつかない事態を招きかねない。孤立へと突き進む北朝鮮が引き返すよう、国際社会は一致協力して手だてを講じることが求められている。
 日本は、それとは逆の方向に進んでいる。先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)前の日米首脳会談で、安倍晋三首相とトランプ大統領は、今は対話ではなく北朝鮮に圧力をかけることが必要だとして日米の連携を確認した。
 首をかしげざるを得ない。「対話ではなく圧力を」との方針はこの間、何ら成果を上げていない。北朝鮮の強い反発を招いただけである。北朝鮮に対する圧力一辺倒の対応は、逆効果しか生まないのである。
 安倍首相はサミット閉幕後の会見で、北朝鮮に関して「日米で防衛体制と能力向上を図ることで合意した」と言明した。イージス艦を6隻から8隻態勢へ増強することの「実現を急ぐ」とも述べている。
 北朝鮮は日本の防衛体制強化を、脅威としか捉えないだろう。圧力をかけることは危機の増大を招く結果になることを、日米両政府は知るべきだ。今、なすべきことは北朝鮮との対話の道を模索することである。日本は、対話による問題解決で国際社会を主導する方向へとかじを切るべきだ。