外国人介護士 どう活用するかが課題だ
人口減少による超高齢化社会と労働力不足にどう対応するか。以前から問われている問題だが、有効な手だてが打たれているとは思えない。日本にとって、海外から初の本格的な介護士・看護師受け入れ事業が8月から始まる。
インドネシアとの経済連携協定(EPA)で、同7日にも介護士のインドネシア人候補者が入国する。受け入れ枠300人に対し、応募は103人だった。受け入れ条件が「大学卒または看護学校卒」など他国より厳しいことが、枠を大幅に割り込んだ要因とみられる。
候補者は半年間、受け入れ施設に泊まり込んで日本語研修を受けた後、介護職員として働くことになる。4年間の期間中に働きながら学ぶ。国家試験に合格すれば、その後も滞在できるが、不合格の場合は帰国しなければならない。
2007年度の介護労働実態調査によると、介護労働者の5割が「仕事内容の割に賃金が低い」との不満を抱いている。直近1年間の離職率は21・6%で、全産業平均(16・2%)を5・4ポイントも上回っている。
厳しい状況は県内も例外ではない。民間が経営する特別養護老人ホーム(定員100人)10施設の介護職員の7割が非正規職員。勤続年数も平均9年と県立施設の21年に比べて短いのが分かる。
介護現場からは、将来の労働力人口の減少と介護労働の実態から安価な外国人労働者の導入―との声も聞かれる。
「EPAによって金と物だけでなく、人的交流によるつながりをもっと深めたいとする特例的なものだ」(厚生労働省)と、これを否定する。
介護の国家資格を有しながら、就労しない潜在労働者が20万人もいるとの推計もある。厚労省は潜在労働に至った原因究明と、掘り起こし、介護労働者の労働環境改善を急がねばならない。
現在の状況がこのまま続くのなら、インドネシアから受け入れても事態の改善は難しいだろう。外国人介護労働者を快く受け入れる環境整備はもとより、どう活用するかが問われている。

