移設の「考え方」 釈明や解釈より「解決」を

 仲井真弘多知事が5日、「普天間飛行場の移設に関する沖縄県の考え方」(A4判5ページ)を公表した。「発信力不足」「発信しない知事」との声もあるだけに、「普天間移設問題に県民が抱く多くの疑問に答え、政府にも県民の意思を示す行動」と期待した。

 しかし、厳しい言い方になるが、公表された「考え方」には正直がっかりした。
 目新しさが何もない。従来の答弁の繰り返し。多くの疑問に何も答えていない。一体、何のために、そして誰のために、今、この程度の「考え方」を示さねばならないのか。「説明不足」が否めない。
 知事は「考え方」をまとめた理由を、県議会の「名護市辺野古への新基地建設反対決議」に、「私の姿勢が十分に理解されていない」ためとしているが、「考え方」には十分な理解を深めるような説明が見あたらない。むしろ疑問が増えてしまった。
 例えば、県外移設が望ましいとの意見がある中で、なぜ県内移設か。知事は「結局、代わりの施設は県内、名護市にあるキャンプ・シュワブに移すことが決められた」と説明している。県民が知りたいのは、「結局」の中身である。
 シュワブ移設が危険解消の「実現可能性の高い早道」との説明も、
肝心な他の選択肢との比較がない。
 普天間代替施設と関係ないのに、なぜ「嘉手納から南の米軍施設をかなりの規模で返還」がリンクし、可能なのか。
 嘉手納から南の基地返還が、知事がいう「沖縄全体の発展に大きく貢献する」ならば、なぜ普天間とは別枠で返還交渉や跡利用計画の策定を進めないのか。
 県議会決議は、6月の県議会選挙の結果を受け示された最新の県民意思である。議会制民主主義の中で、知事は議会の示した決議を尊重し、実現すべき立場にある。
 議会との「考え方」の相違の釈明や解釈に力を注ぐより、県民の疑問に丁寧に答え、世論を味方にすべきである。それが、普天間問題解決の早道ではないか。