米原子力空母配備 国民危険にさらす母港化

 たとえ国民を危険にさらすことになっても、米国から求められれば唯々諾々として従う。米原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備は、日本政府の対米追従姿勢をこれまで以上に鮮明にした。

 ジョージ・ワシントンは小規模の原発に匹敵する原子炉2基を動力源として搭載している。米本土以外で米原子力空母の母港となるのは米海軍横須賀基地が初めてだ。
 米国は「原子力艦船は50年間無事故。原子力事故の可能性は極めて低く想定し難い」と安全性を強調しているが、人間が操作する以上、事故が起きる可能性は決してゼロではない。
 母港化は東京湾に原発を誘致したに等しい。もしも大規模な放射能漏れが起きれば、首都圏に取り返しのつかない惨事をもたらす危険性をはらんでいる。
 50年間、無事故だったからといって、これからも安全であるという保証はどこにもない。それどころか、そろそろ事故が起きてもおかしくない時期にきている―との見方さえ成り立つ。
 「防護壁が商業炉に比べてはるかに頑丈。停泊中に放出され得る放射能量は商業炉の1%未満」などと米国は文書で説明したが、「軍事機密」を盾にして、日本国内の原発で実施している安全審査を拒んでいる。
 現状は、放射能事故防止のための安全性を日本側が検証できる体制さえ確立されていない。
 国民生活の安全を第一に考えるなら、原子力空母の配備など言語道断だ。本来ならきっぱりと断るべきところだが、日本政府は米国の一方的な言い分をうのみにして受け入れた。
 少なくとも、わが国の港が母港となる以上は、日本による安全性検証のシステムは不可欠であるはずだ。
 そんな当たり前の要求さえできなくて主権国家と言えるのか。日本政府は、原子炉の安全性にかかわる事項を速やかに公開するよう米側に求め、日本の原発並みの安全審査を認めさせるべきだ。



琉球新報