公立学校調査 予算拡充で人材育成を

 教育現場が予想以上に疲弊している。そう思わざるを得ない。県教育委員会が実施した調査によると、勤務時間外労働の増加など、先生方の負担が目に見えて増えている。「子どもとじっくり向き合えない」「教材研究の時間がない」という。雑務に追われ、本来の教育に専念できないということであれば、事は深刻。早急な改善策が必要だ。

 沖縄県の低学力問題がクローズアップされて久しい。多くの要因が指摘され、それなりの対策も取られているが、これといった効果が出ていないのも事実だろう。確かに、こんな現状では学力向上をいくら強調しても、取れる方法は限られている。授業の基本である「児童」と「教師」の距離が遠くなっている気がするからだ。
 調査によると、県内公立学校の教員の52・1%が、全国平均1時間43分を上回る2時間以上の超勤業務に従事している。5時間以上も5・9%に上る。また、平日には78・8%が自宅に業務を持ち帰り、休日にも68・6%が出勤している。校務分掌や部活動などに時間を取られ、授業の準備など本来の教育がおろそかになる、という実態が浮かび上がってくる。
 教員の病気休職や精神疾患が全国的に増え、過去最多を記録している。特に精神疾患がひどく、2007年度には4995人で、病休者全体の62%を占めている。沖縄でも153人が精神を病んで休職しており、現場の過重な負担がいかにストレスを引き起こしているか、よく分かる。
 こう見てくると、教員増と連動した「30人学級」の実現が、どうしても避けて通れないのではないか。とはいえ、政府は教育予算の削減に腐心しているとしか思えない。
 今夏、初めて策定された教育振興基本計画でも当初、文部科学省は小中学校の教職員定数を2万5000人増やすよう求めていた。だが財務省などの反対で明記が見送られてしまった。資源の少ない日本は人材こそが最大の資源。100年先を見据えた教育施策が求められている。