劣化廊下崩落 行政主導で危険度調査を

 浦添市で3日未明、鉄筋コンクリート造り3階建て分譲マンションの2階廊下部分が崩落する事故が起きた。建築からおよそ35年が経過し、老朽化が進んでいた。人の出入りの多い日中に崩れ落ちていたら大惨事になりかねないところだ。けが人が出なかったのは不幸中の幸いだった。
 要因の一つとして、塩分が取り除かれない海砂が建築資材に使用されていた可能性が指摘されている。

 建設省(現在の国土交通省)は1977年にコンクリートに使用される細骨材中に塩分が含まれる場合の取り扱い、86年にコンクリートの耐久性確保に係る措置について、それぞれ通達を出し、コンクリート中の塩分量を規制した。
 事故のあった浦添市の分譲マンションは規制のない時代に建てられていた。同時期までに造られた建物は同様に崩落の危険がある。
 県は、除塩しない海砂が使用されたと思われる建物を洗い出して安全性をチェックするよう市町村に指導すべきだ。
 鉄筋コンクリート造りの建造物は通常なら60年もつといわれる。だが、資材の砂に多量の塩分が含まれている場合、鉄筋がさびて膨張し、ひび割れができやすい。そこから雨水が入り込むなどして腐食が進むため、耐用年数は20~30年程度に縮まるという。
 建設業関係者によると、建築ラッシュだった70年代には砂利や川砂が不足し、海砂を使用するケースが多かった。そのような建物は、既に実際の耐用年数をオーバーしている計算になる。
 県によると、71~80年に建築された住宅は約9万4700戸で、ほとんどがコンクリート造りとみられている。
 廊下が崩落したマンションの住人は轟音(ごうおん)でたたき起こされ「爆弾でも落ちたのか」と思ったらしい。海砂による塩害で腐食した建物は、時限爆弾付きの欠陥建築物と言っても過言ではあるまい。居住者の多くは、気付かないうちに崩落の危険にさらされている。
 コンクリートがはげ落ちていたり、さびた鉄筋がむき出しになっていたりすれば赤信号だ。早めに専門家に相談し、補強工事などの手だてを講じる必要がある。
 建築を認めた以上、行政側にも責任の一端がある。コンクリートの崩落で人身に大きな被害が及ばないよう早急に手を打つべきだ。