県知事選挙 うそやぶれのない論戦を

 11月28日投開票の県知事選に、現職の仲井真弘多知事が再選出馬を表明した。
 知事選にはすでに伊波洋一・宜野湾市長が出馬を表明している。ほか、「第三の候補」の名前も複数挙がっている。
 各候補は、県政が抱える多様な課題(争点)とその処方せん(政策)を早急かつ明確化してほしい。

 それにしても知事選各候補の出馬表明は、あまりにも遅過ぎないか。すでに投開票まで3カ月を切っている。
 第三の候補に至っては、いまだ迷走中だ。
 2年間をかけて候補者選びから各陣営の候補者が政策論争を戦わせる米国大統領選を思えば、候補者決定から投開票まで2カ月余の準備期間は、候補者のみならず有権者の意識や関心を高めるには、あまりに短過ぎないか。
 選挙戦が終わって敗者が口にする言葉がある。「支持拡大も時間切れ」「政策を浸透する時間が足りなかった」などだ。
 一方で、ある選挙参謀は一般論として「選挙は直前の出馬表明が有利」と指摘する。「早々に表明すれば対抗陣営も準備を早め、敵に利する」との理由のようだ。
 候補者の顔が直前まで見えなければ政策も争点も固まらず、知事選への関心は高まりようがない。
 「早く動けば、その分、選挙資金もマンパワーも必要で、政策論争も活発化し、資金の確保や運動員の息切れも心配」との政党関係者の声も聞く。
 「民は之に由らしむべし之を知らしむべからず」(論語)。「人民はただ従わせればよく、理由や意図を説明する必要はない」(広辞苑)という、そんな高慢な姿勢も見え隠れする。
 いずれにしても県民・有権者そっちのけの身勝手な理屈だ。
 知事選挙は140万県民のために働く知事を選ぶためのもので、小手先の選挙戦術など無用だ。
 各知事候補者は自らの理念や政策、公約を明確に堂々と提示し、県民の信任を得ることに心血を注ぐべきだ。
 今知事選では普天間飛行場の辺野古移設問題が最大の争点とされるが、それだけが争点ではない。
 雇用、経済、福祉、沖縄振興政策など「論点」は山ほどある。
 各候補・陣営は選挙告示までに論点や主張を整理し、選挙戦では争点をぼかさず、うそやぶれのない論戦で、投票率を高めてほしい。