日米首脳会談 従属ではなく自己主張を

 日米首脳会談で菅直人首相は、米軍普天間飛行場移設について、日米合意通りの実施を伝えた。オバマ大統領は地元沖縄が反対している状況に理解を示した。
 11月に県知事選を控えていることから、両政府は当面この問題に深入りしない構えのようだ。

 普天間移設について米国は、日本の国内問題という立場を取ってきた。だが、米国の対日政策に影響を及ぼす専門家の間から、現行案は無理だという認識が広がっている。
 むしろ普天間問題の解決を困難にしているのは、対米追従で硬直した日本政府の外交姿勢にある。
 ハーバード大名誉教授のジョゼフ・ナイ氏は、普天間問題で米側が強硬姿勢を取るのは「賢くない」と指摘している。
 強硬姿勢を貫いて米側が「勝利」したとしても、ローマ時代に多大な犠牲を払った「ピリックの勝利」のように、日米同盟上は犠牲が多くて引き合わないという。
 米日財団会長のジョージ・パッカード氏は、米側は日本国内の米軍基地縮小について交渉に応じるべきで、日本側は県外移設を追求すべきだったと述べている。
 プリンストン大教授のジョン・アイケンベリー氏は、日本の外交姿勢に注文を付ける。「ワシントンに従属する日本よりも、自己主張する日本の方が東アジアとアメリカによりよい効果がある」
 当然の指摘だ。今回の日米首脳会談でオバマ大統領が投げ掛けた「21世紀にふさわしい形」の日米関係とは、米国に従属する日本ではないはずだ。
 日米首脳会談で菅首相は、日米合意を守ると伝えた。おかしな話だ。それよりも民意を踏まえることが重要ではないのか。
 県議選、名護市長選、名護市議選で県内移設反対の民意は示されている。
 民意と国際的な約束にずれがあれば再交渉すればいい。米国内で現行案は無理だという認識が広がっている。今こそ好機ではないか。
 国務副長官を務め、1980年代から普天間問題にかかわってきたリチャード・アーミテージ氏は、11月の県知事選で県内移設反対を掲げる候補が当選すれば「辺野古移設は不可能」との見方を示した。
 出口は見えているはずだ。出口を見ようとせず、問題を先送りし続けるのであれば、21世紀にふさわしい日米関係は築けまい。