知事姿勢転換 日米合意撤回の行動起こせ

 仲井真弘多知事は県議会で、米軍普天間飛行場返還問題について、名護市辺野古崎移設を明記した日米共同声明を見直し、県外移設を政府に求めていくことを初めて表明した。
 5月28日に日米共同声明が発表されてから4カ月。県外移設、日米共同声明の見直し表明はあまりに遅いものの、知事の姿勢転換については一定の評価をしたい。

 ただ、今回も「県内移設反対」とは明言していない。これでは政府に県内移設受け入れの余地があるとも、とらえられかねない。
 沖縄の圧倒的な民意は県内移設反対である。知事は県民の代表として、政府に沖縄の民意を伝える責任がある。
 自公政権時代、知事は条件付きで県内移設を容認する立場を取っていた。
 1月の名護市長選以降、知事は「受け入れは極めて厳しい」と述べるようになった。
 共同声明発表後の県議会6月定例会では「地元の了解を経ずに決定されたことは誠に遺憾だ。受け入れることは極めて難しいと言わざるを得ない」と強調し、「県内移設は不可能に近い。拒否の選択肢もある」とも語っていた。
 しかし、その後は「県外移設を断念した経緯について首相、政府から十分な説明を受けた上で判断する」と、なかなか踏み込んだ方針を示さなかった。
 何らかの条件次第では受け入れる余地もあるようにも取られる発言を繰り返し、これまで日米合意を完全には否定しない姿勢をかたくなに守っていた。
 普天間代替施設の県外移設については、4・25県民大会などで県民の意思は何度も示されている。
 琉球新報社と毎日新聞社が5月末に実施した県民世論調査でも「辺野古移設に反対」は84%と圧倒的だった。
 今月行われた名護市議選では、辺野古移設に一貫して反対している稲嶺進市長を支える与党が圧勝している。
 まさか、野党が言うようにこの時期の姿勢転換は県知事選に向けたパフォーマンスではあるまい。
 日米合意の見直し要求を打ち出したからには、自らの発言を直ちに実行に移すべきだ。
 知事は一刻も早く、菅直人首相との会談を求め、普天間代替施設の県外移設、日米合意撤回を強く訴えてもらいたい。