普天間爆音増 軽減どころか“沖縄いじめ”だ

 120デシベル。航空機のエンジンのそばにいる状態と同じ騒音で、人間の聴覚の限界に迫るという。それを超える123デシベルが米軍普天間飛行場で記録された。騒音というより爆音だ。100デシベル以上の騒音は27回も記録されている。
 米軍嘉手納基地の滑走路改修工事に伴い同基地所属の戦闘機が普天間飛行場で訓練を実施しているためだ。

 宜野湾市の中心部に位置し、世界で最も危険な基地といわれる普天間飛行場。周辺には住宅や、小中高校、大学、病院など公共施設がある人口密集地だ。2004年に沖縄国際大学の構内に米軍ヘリが墜落した事故は記憶に新しい。
 墜落の危険に加え、爆音という新たな被害が発生している。米軍によると、戦闘機訓練は改修工事完了まで18カ月も続き、那覇空港での訓練の可能性もあるという。日本政府のいう「地元の負担軽減」は口先ばかりで、実態は負担が増えている。
 普天間飛行場は1996年に日米両政府が返還で合意したにもかかわらず、いまだに返還されない。菅政権は、辺野古への新基地建設を認めなければ、普天間飛行場固定化だ、と迫っているに等しい。
 無策のまま放置して、時間がたてば、辺野古移設反対の民意が変わるとの算段だろうか。その間、普天間飛行場は危険性だけでなく爆音も増している。爆音をまき散らす「良き隣人」。それを容認する日本政府。これでは日米両政府による“沖縄いじめ”だ。
 日米両政府が普天間返還合意に至ったのは、その前年に起きた少女乱暴事件がきっかけだ。一人の少女の犠牲と、県民挙げての反基地への盛り上がりがあってはじめて、両政府が重い腰を上げた。
 自国の安全保障を米国任せにして、米国追従路線のまま思考停止しているとしか見えない日本政府。米軍優位の地位協定や膨張した思いやり予算も米国の要求を受け入れるだけで、正面から交渉してこなかった結果だ。
 今年は日米安保改定50年の年。米国は「同盟深化」の名の下に思いやり予算の増額など新たな要求を突き付けている。逆に50年の節目だからこそ、新しい日米関係の構築を提起してもいいはずだ。その突破口として普天間飛行場の国外・県外移設をもっと真剣に正面から論議してほしい。